ツイート詩、のようなもの
〜思潮社「ツイッター連詩」に参加して〜 異能兄弟
(T)
お れ は あ ん ど れ ぶ る と ん
(僕らは10円玉が告げた男が誰なのか知らなかった)
こっくりさん、こっくりさん、教えてちょうだい
(U)
ここはアントクアリウムみたいなサナトリウムの中庭
世界はミリ単位の誤差も許さぬから
ていねいに少女の小指を植えてゆく
運命を甘受した蝉が鳴きはじめる/そう、勇気、勇気なのだ
ふくらはぎが帰りたがっても
ぎやどぺかどる、ぎやどぺかどる・・・・・・と
おんぼろ自転車のペダルを踏む
あくびする人体模型の埃臭い息に
呼ばれているんだ
ポケットには百葉箱の鍵
首吊りに失敗した剣玉のたまが線路に飛び込んだ
目を閉じて深呼吸して、と誰かの声
ダウジングのL字棒が反応する
ママが埋めたタイムカプセルが罅割れて
響きわたるアリア
唄え。他人よりも早く大人になる子役のためのララバイを。
(V)
夕焼けは一枚の赤紙(入道雲の海兵さんが血に染まる)
枯れることなく伸びつづける東京スカイツリー
訃報をはこぶ夕刊
自由気ままに生まれては死んでゆくさっきまでの未来たち
自意識過剰の塩が真っ赤なスイカの上で溶けてゆく
祖母の記憶はモノクロの3D画像となって
小さな種子のなかの闇とたたかう光でした
三つ編みの絶叫!
砲弾まみれの悲鳴!
照明弾のような笑い声がして
滴るのは海水、それとも海水のような人工物?
ダレデモヨカッタ・・・・・・/どうして私でなければいけなかったの?
涙で濡れた枕が錨となって夜をつなぎ止める
粉々にしたカレイドスコープをふりかけた夜
消えたのは記憶ではなく手品師のアシスタント
牡丹、松葉、柳、散り菊(あっ、落ちた)
線香花火の玉(また夏に会おうね、ばいばい)
(W)
今日もサドゥーの髭の如く伸びてゆく詩行(剽窃は一本の白い毛)
腹話術師の本音が街を駆け巡る
事件だ!事件だ!リリカルな!
吃音を輻射するパラボラアンテナ
Home Again キャロル・キングの歌声が雨を呼ぶ
すでに腐りかけつつエンバームされている言葉
懺悔/もうじき降り出す雨が僕らの言葉を浄化する
もっと、もっと、もっと光を!
とソーラー時計の秒針が喘ぐのをかなぐり捨てて
湿気を帯びた苦しみが告げる正午の時報
少女の縄跳びがボクサーのロープ・スキッピングを完全に圧倒した
ゴールポストをはずれたボールが消えてゆく
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大雨洪水警報報発令中 / / / 誰も予測できぬカタストロフィが迫りつつある
干乾びた地に150日間降り続いた雨だった
(そろそろ雨乞いの儀式を終えるとするか)
虹のリインカネーション
堰き止められた川はいつか決壊するだろう
待つ気はない。奇襲だ!
KILLROY WAS HERE/今は僕たちがここにいる
現在、水深149メートル!
まもなく水深150メートル、危険水域に到達します!
あ、あー、決壊!
濁流だ! 決壊は当初から予見されていた。
われらの顔にも 無理やり引きずりおろされた独裁者の薄ら笑いが
創造以前の混沌の世界/真実の詩は31ユニット目から始まるのだ
しあさっての「し」は「死」ではなく「明」
誤植は五色の不完全な虹だから
報復の匍匐前進決行!
あの飛行機雲はだれの白旗?
仮死状態の言葉 もう手遅れか?
マウス・トゥ・マウス 詩人を救え!
(註)
思潮社「現代詩手帖」の企画「ツイッター連詩」(5行×30ユニット150行)に参加しました。
採用はされませんでしたが、そこへツイートした詩行の中からいくつかを組み合わせ
詩のようなものを作ってみました。若干手を加えたところはありますが、
極力ツイートしたそのままの表現を生かすようにしています。


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